しょうが健康法

正しいダイエット法

オリーブオイル健康法

商品購入

会社概要

T 143
Y 233


【第15節】生理痛(月経困難症)には”しょうが(生姜)”が消炎・鎮痛薬と同じくらい効果的!


  神経痛やリウマチなどの痛み止めに、”しょうが湿布”などが用いられますが、これは”しょうが”の消炎・鎮痛作用を期待してのことです。
  ”しょうが”の消炎・鎮痛作用は、その主要成分であるジンゲロール(Aktan F, et. al., Planta Med 2006;72(8):727-34)やショウガオール(Pan MH, et. al., Mol Nutr Food Res 2008;52(12):1467-77)によるものです。
  ジンゲロール(6-ginerol)やショウガオール(6-shogaol)は、強い抗酸化(活性酸素消去)作用と同時に、NF-κBという核転写因子の活性化を阻害する作用を有し、炎症やがん化を促進する誘導性一酸化窒素合成酵素(iNOS)やシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の合成を抑えて、炎症やがん化を防ぎます。
  ”しょうが”の消炎・鎮痛効果について、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs;エヌセイズ)のメフェナム酸(ポンタール)やイブプロフェン(ブルフェン)と比較した臨床試験があります。
  イラン(テヘラン)にあるシャヒド・ベヘシティ大学医科学部のOzgoli氏らの二重盲検法による臨床試験(J Altern Complement Med 2008;15(2):129-32)では、一次性の月経痛(Primary Dysmenorrhea)に対する”しょうが”の鎮痛効果を調べています。
  月経痛は18~45歳くらいの女性の約90%が経験し、典型的には月経開始から数日間,下腹部などに痛みを生じるものです。
  ここでは、器質的疾患のない月経痛(一次性月経痛)のみを対象とし、器質的疾患のある月経痛(二次性月経痛)を除外しています。
  18歳以上の女子学生を①しょうが摂取群、②メフェナム酸摂取群、③イブプロフェン摂取群にそれぞれ50人ずつ割り付けました。
  月経開始日から3日間、しょうが摂取群には”しょうがエキス末”250mg、メフェナム酸群にはメフェナム酸 250mg、イブプロフェン群にはイブプロフェン400mgを同形状のカプセルでそれぞれ1日4回摂取してもらい、実験の始めと終わりでの痛みの度合い、痛みの主観的な軽減度や主観的な満足度などを調べました。
  その結果、どの群でも、始めと終わりでの痛みの度合い、痛みの主観的な軽減度や主観的な満足度に有意な差はなく、”しょうが”でも他の二つの薬剤と同程度の鎮痛効果が確認されました。
  つまり、メフェナム酸/イブプロフェン/”しょうが”の鎮痛効果(%)はそれぞれ著効30/36/36、有効36/30/26、不変26/34/30、やや悪化6/6/8、かなり悪化2/0/0でした。
  毎回、月経痛に悩まされている女性で、消炎・鎮痛薬の使用はできるだけ避けたいという人は、身体を冷やさないように留意するとともに、”生しょうが”に換算して一日10gを限度に”しょうが”を摂取してみてはいかがでしょうか。
  その際、ビタミンB1やマグネシウム(Mg)も月経痛の痛みを和らげる効果がありますので、ビタミンB1を一日100mgと、Mg含量の多い海藻をサラダや味噌汁などでやや多めに摂るとさらに良いでしょう。





【第14節】”しょうが(生姜)”はウコンと同様、胆汁分泌を促してアルコール代謝を早めます!


  ウコン(Turmeric)は、インド原産のショウガ科ウコン属の多年草で、日本には染料としては平安時代に中国より、生薬としては室町時代に琉球(沖縄)より、もたらされました。
  ウコンには、春ウコン、秋ウコン、ガジュツ(紫ウコン)などの種類がありますが、日本では香辛料として秋ウコンがよく用いられます。
  ウコン(英語名:ターメリック)はカレー粉の主原料で、その黄色の色素が苦味のあるクルクミン(Curcumin)に代表されるクルクミノイド類(Curcuminoids)です。
  東京薬科大学の糸川秀治氏らの総説(Chinese Med 2008;3(11):On-line)によれば、クルクミノイド類の主な生体への作用は、よく知られている健胃作用や胆汁分泌促進作用の他に、抗炎症作用、抗酸化作用、抗エイズウイルス作用、抗前立腺がん作用などだそうです。
  ウコンといえば、二日酔いの予防として有名ですが、主成分のクルクミンが肝機能を強化することによって胆汁の生成・分泌を促進し、アルコールやアセトアルデヒドの分解を早めます。
  また、クルクミンは小腸から吸収されるとテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化物質に変化して、身体に有害な活性酸素を消去・不活化したり、代謝・解毒作用を発揮したりします。
  ところで、”しょうが(生姜)”にもウコンと同様、抗酸化作用や胆汁分泌促進作用があります。
  ”しょうが”の抗酸化(活性酸素消去)作用については、すでにお話しましたので、ここでは胆汁分泌促進作用についてお話します。
  京都薬科大学の山原條二氏らの研究(J Ethnopharmacol 1985;13(2):217-25)では、右図のように、ラットでの”しょうが”の胆汁分泌促進作用について、①何もしない対照群、②十二指腸内への6-ジンゲロール(100mg/kg体重)投与の”しょうが群”、③十二指腸内へのデヒドロコール酸(100mg/kg体重)投与の胆汁分泌促進薬群で調べています。
  それによると、”しょうが群”は”対照群”どころか、”胆汁分泌促進薬群”と同じか、それ以上に、胆汁分泌促進作用を有することが分かりました。
  胆汁分泌促進作用は、”しょうが抽出物”の中のジンゲロール(6-gingerol, 10-gingerolなど)によるものであることが判明しました。
  もし、ウコンの胆汁分泌促進作用や抗酸化(活性酸素消去)作用を期待するのであれば、”しょうが”でも十分代用できますので、ウコンか、”しょうが”かはお好みで使い分けるのがよいでしょう。





【第13節】飲酒時には”しょうが(生姜)”を食べて活性酸素を除去しましょう!


  排気ガス・紫外線・X線といった環境因子や喫煙・飲酒といった嗜好品ならびに過激な運動や精神的ストレスなどは、体内に活性酸素(Reactive Oxygen Species)を大量に発生させる原因となります。
  物質を酸化する能力が強い活性酸素には、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素などがあります。
  体内に入った酸素の1~2%は活性酸素になり、体内の活性酸素消去システムで対処しきれなくなった過剰な活性酸素が、その強い酸化作用によって、遺伝子(DNA)を傷つけたり、脂質を過酸化脂質に変えたり、蛋白質を変性させたり、酵素を失活させたりして、生活習慣病などを引き起こします。
  もちろん、活性酸素を体内に大量発生させない限り、または本来備わっている活性酸素消去システムが順調に働いている限り、活性酸素は体内に侵入した細菌などの異物を攻撃したり、体内の酵素反応を促したりするなど、生体にとって重要な役割を果たし、余分な活性酸素はスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)などの抗酸化酵素などによって、消去・不活化されます。
  多量飲酒も活性酸素を発生させる要因の一つで、連日、大量の活性酸素を体内に発生させると、肝機能や脳機能などに障害を及ぼすのみでなく、生活習慣病などのリスクも高まります。
  最近、”しょうが(生姜)”には多量飲酒により発生する活性酸素を除去する能力が高いことが、動物実験で明らかになりました。
  サウジアラビアのキング・ハリド大学サイエンス学部のShati氏らの研究(Food Chem Toxicol 2009;May 17:On-line)では、マウスを5匹ずつ、①飲酒なしの対照群、②エタノール(0.1mL/45g体重)摂取の飲酒群、③エタノールと”しょうが”(500mg/kg体重)摂取の飲酒&しょうが群に割り付け、それぞれ14日間飼育し、各群での活性酸素の度合いや抗酸化力の度合いを調べました。
  それによると、上図のように、活性酸素の発生(脂質過酸化)指標となるマロンジアルデヒド(MDA)は、14日後の肝臓や脳において、飲酒群では増大しますが、”飲酒&しょうが群”では”対照群”とほぼ同じレベルで、活性酸素はほとんど増加しませんでした。
  また、下図のように、活性酸素を消去・不活化する抗酸化酵素の一つであるグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)は、14日後の肝臓や血漿において、飲酒群では低下してしまいますが、”飲酒&しょうが群”では”対照群”とほぼ同じレベルで、抗酸化機能の低下はほとんど見られませんでした。
  このように、”しょうが(生姜)”の水抽出物には多量飲酒による活性酸素の大量発生を阻止する働きがあります。
  したがって、お酒好きな人は飲酒に際して、"生しょうが”を食べるようにすれば、飲酒により大量発生する活性酸素が体内の諸臓器を傷害するのを未然に防ぐことができます。





【第12節】”しょうが(生姜)”の水抽出物やジンゲロンに抗肥満効果の可能性あり!


  オランダのマーストリヒト大学のWesterterp-Plantenga氏らの総説(Phisiol Behav 2006;89:85-91)によれば、唐辛子(主成分カプサイシン)、黒コショウ(ピペリン)、”しょうが”(ショウガオール,ジンゲロン)、緑茶(カテキン,カフェイン)、紅茶(カフェイン)、マテ茶(カフェイン)、コーヒー(カフェイン)などの下図のような機序による脂肪分解作用(抗肥満効果)は単独ではさほど大きくないようです。
  一方、彼女らの別の総説(Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 2007;292:R77-R85)によれば、エフェドリンとカフェインの組合せは確かな抗肥満効果がみられるようです。
  ところが、エフェドリンは交感神経亢進作用とともに、強い中枢神経興奮作用もあるため、不眠や神経過敏のほか、高血圧、動悸・息切れ、心臓発作、脳卒中などの恐れがあり、現在は多くの国でサプリメントとしての使用が禁止されています。
  しかし、柑橘系のシトラスアウランチウムやシネトロール®などのように、主成分としてシネフリン(エフェドリンや昇圧剤フェニレフリンの類似物)が入ったものは、多量のカフェインと一緒に摂るとエフェドリンと同じような副作用を引き起こす心配があります。
  ここでは、”しょうが(生姜)”の抗肥満効果について、国内の動物実験の報告を2つ紹介します。
  熊本県立大学環境共生学部の韓氏らによる研究(薬学雑誌 2005;125(2):213-7)では、マウス60匹を、①普通食群、②高脂肪食群、③高脂肪食+しょうが水抽出物1%群、④高脂肪食+しょうが水抽出物3%群に分けて、9週間の体重変化を調べています。
  それによると、④の高脂肪食+しょうが水抽出物3%群は、②の高脂肪食群に比べ、エネルギー摂取量には差がないものの、9週目の体重が④群で35.5g、②群で42.5gであり、”しょうが”の水抽出物は体重を有意に抑えることが分かりました。
  この理由として、”しょうが”の水抽出物はカテキン同様、でんぷん分解酵素であるαアミラーゼの活性を阻害して糖質の腸管吸収を抑えることと、脂肪分解酵素である膵リパーゼの活性を阻害して脂肪の腸管吸収をも抑制することがあげられます。
  ”しょうが”の膵リパーゼ活性阻害率は、ルイボス茶(50%)やウーロン茶(52%)よりも大きく、バナバ茶(70%)と同等の67%もありますので、体脂肪が気になる人は脂っこい食品と一緒に、”生しょうが”を摂ることをおすすめします。
  もう一つ、クラシエホールディングス(株)の韓氏らによる研究(薬学雑誌 2008;128(8):1195-201)では、閉経後更年期を模擬するため、卵巣摘出手術を施したラットにジンゲロンを経口投与し、ジンゲロンによる脂肪分解促進作用を調べています。
  それによると、”生しょうが”を加熱すると生成するジンゲロンは脂肪分解作用を用量依存的に増強させることが分かりました。
  このジンゲロンによる脂肪分解増強作用は、脂肪細胞におけるホルモン感受性リパーゼの活性化によるものではなく、ホルモン感受性リパーゼが脂肪滴と結合しやすくなるためと考えられています。
  このように、”しょうが”を生で摂ったり、”しょうが湯”や”しょうが料理”などで摂ったりした後に運動する習慣をつけると、肥満の改善につながる可能性があります。





【第11節】”しょうが(生姜)”は脂質異常だけでなく、糖尿病も改善する可能性あり!


  ”しょうが(生姜)”のアルコール抽出物の経口摂取によって、血中脂質の状態の改善に加えて、過体重や高血糖ならびにインスリン抵抗性をも改善できることが、ゴールドチオグルコース(Goldthioglucose)という薬剤を腹腔投与して人工的に肥満にしたマウスを使った実験で明らかになりました。
  インド(ナヴァラングプラ)にあるLM薬科大学のGoyal氏らによるマウスを用いた研究(Fitoterapia 2006;77:160-3)では、各群6匹ずつ、①正常マウス群、②肥満マウス群、③肥満マウスに”しょうが”のアルコール抽出物(250mg/kg/day)を与えた肥満マウス生姜群に分けて、8週間後の血中脂質の状態や体重、血糖値、血中インスリン濃度などを比較しています。
  それによると、肥満マウス生姜群は、肥満マウス群に比べ、中性脂肪(78→36mg/dL)、総コレステロール(108→67mg/dL)、LDLコレステロール(80→49mg/dL)が有意に低下し、HDLコレステロール(12→11mg/dL)は不変でした。
  また、肥満マウス生姜群は、肥満マウス群に比べ、体重(42→33g)、空腹時血糖値(157→124mg/dL)、血中インスリン濃度(91→75μU/mL)において有意に低下しました。
  一般に、セロトニン5-HT2c受容体が欠損しているマウスは過食によって肥満傾向になります。
  しかし、”しょうが”のアルコール抽出物は食欲を調節する5-HT2c受容体を適度に刺激することで、食欲を抑えて体重を減らす方向に作用し、さらに脂質異常やインスリン抵抗性をも改善するものと考えられます。
  このように、動物による実験研究では、”しょうが(生姜)”の継続摂取は糖尿病性の脂質異常の人に、その効果が期待できます。
  日本での糖尿病はその予備軍を含めると2,210万人にもなります。
  そのような人は、少しのエネルギー制限食と適度な運動を組合せ、何となく食べていた食物を減らすとともに、定時起床後に胃腸や脳を適度に刺激する”しょうが湯”または”しょうが紅茶”)や早足歩行などを朝食前に取り入れて、朝からスッキリのさわやか生活を始めてみてはいかがでしょうか。





【第10節】脂質異常を改善する”しょうが(生姜)”の驚くべき効力を臨床試験で実証!


  糖尿病のラットを使った実験で、しょうが抽出物の経口摂取によって、グリクラジド(Gliclazide)というスルホニル尿素系の経口血糖降下薬と同等か、それ以上に、血糖値や血中脂質の状態を改善できるという報告があります。
  インド(ニューデリー)にあるハムダード大学薬学部のBhandari 氏らによるラットを用いた研究(J Ethnopharmacol 2005;97:227-30)では、①正常ラット群、②糖尿病ラット群、③糖尿病ラットに、しょうが抽出物(200mg/kg/day)を与えた群、④糖尿病ラットにグリクラジド(25mg/kg/day)を与えた群について、20日後の血糖値や血中脂質の状態を比較しています。
  それによると、血糖値、中性脂肪(トリグリセライド)、総コレステロール、HDLコレステロールについて、グリクラジド投与群よりも、しょうが抽出物摂取群のほうが、すべての項目で数値が正常群に近く、良好でした。
  このように、動物による実験研究ですが、しょうが抽出物の継続摂取は糖尿病性の脂質異常の人に、その効果が期待できます。
  そして、2008年にイランにおける臨床研究で、しょうがを摂取し続けると、人での脂質異常を改善できることが判明しました。
  イラン(バボル)にあるバボル医科大学のAlizadeh-Navaei氏らによるランダム化比較試験(Saudi Med J 2008;29(9):1280-4)では、脂質異常症(高脂血症)の人を対象に、しょうが摂取群45人にはしょうが粉末3g/day(1gずつ3回)を摂取してもらい、偽薬群40人には乳糖を同様に摂取してもらい、45日後の血中脂質の状態を両群間で比較しました。
  その結果、しょうが摂取群は偽薬群に比べ、”しょうが”による効果として、中性脂肪と総コレステロールが有意(P<0.05)に低下しました。
  また、HDLコレステロールは上昇する傾向(P=0.06)、LDLコレステロールは低下する傾向(P=0.09)を示しました。
  脂質異常症の人は、その疑いがある人も含めると1,410万人(H18年国民健康・栄養調査)にのぼり、中高年者にとっては決して他人事ではありません。
  脂質異常症の人は動脈硬化を引き起こし易く、延いてはそれが心筋梗塞や脳梗塞などの致死性心血管病にまで進展してしまうおそれがあります。
  このような偽薬を用いた臨床試験による結果はその信頼性がかなり高いので、中性脂肪やLDLコレステロールがやや高めの人やHDLがやや低めの人は、すぐにスタチン(Statin)などのコレステロール降下薬に頼らず、しょうが摂取を含めた食事(高カロリーかつ高脂肪)習慣の見直しや運動習慣を心がけるようにしてください。
  そうすれば、致死性心血管病のリスクを高める①高血糖、②高血圧、③高トリグリセリド(中性脂肪)、④高LDLコレステロールなどは自然に改善し、トリグリセリド(中性脂肪)値が下がれば、低かったHDLコレステロール値も改善します。






【第9節】”朝しょうが”はなぜカラダに良いの?



  朝、”しょうが”を飲むようになってから、冬場の霜焼け(chilblain)や冷え性(feeling of cold)がかなり緩和されたというお話を時々、お聴きします。
  これは、主に”しょうが(生姜)”の辛味成分の一つであるショウガオール(shogaol)が体内での熱産生を高めたり、発汗量を増やしたりして、食事誘導性熱産生(DIT; diet-induced thermogenesis)や基礎代謝(basal metabolism)を高めるためです。
  フジテレビ系「めざましテレビ」の「ココ調」での3名のデモ実験で、ただの白湯だと身体のポカポカ感は30分以内に消失してしまいましたが、別の19名の本格的な”しょうが実験”で、食事と一緒に、熱処理した”しょうが”(”生しょうが”10~20g相当)を摂ると、食後3時間くらいポカポカ感が持続することが分かっています。
  ところで、冬場でなくとも”朝しょうが”がよい理由がもう一つあります。
  それは、”しょうが”が健胃作用(消化活動の促進)を発揮し、胃での消化時間をかなり短縮させるため、胃もたれなどの機能性胃腸症を防ぎます。
  台湾のチャングン大学医学部のWu氏らによる研究(Eur J Gastroenterol Hepatol 2008;20:436-40)では、健常男性24人を対象に、”しょうが粉末”1.2gか、または偽薬を別々の日に摂ってもらい、その1時間後に低カロリースープ500mLを摂った後の胃の運動や内容物の半減期などを調べました。
  その結果、”しょうが”を摂取すると、右図のように、胃幽門部(胃底部)の運動回数が約1.5倍高まり、胃内容物の半減期も27分から13分へと、約半分に短縮され、胃での内容物の消化がかなり促進されることが分かりました。
  このように、冬場の寒い朝はもちろん、夏場でもちょっと胃の調子が優れない時などは、”しょうが湯”の後に朝食を摂ると、”しょうが”や朝食によってDITや基礎代謝が高まるため、身体が温まり、胃の調子もよくなります。
  なお、フランス(リール)にある生理学研究所のRomon氏らの研究(Am J Clin Nutr 1993;57:476-80)によると、DITはたとえ同じ食物を摂ったとしても、その時刻により違いがあり、夜間に比べ、朝は43%アップ、昼は24%アップとなります。
  朝の”しょうが(生姜)”は、身体が温まるし、健康の保持・増進にも効果的で、おまけにダイエット(減量)にもつながるため、健康・美容志向の人にとてもオススメです。





【第8節】”しょうが紅茶”は女性特有な悪性腫瘍(がん)の予防も!


  ”しょうが紅茶”(Ginger black tea)は冷え性の改善やダイエット効果ならびに女性に特有な悪性腫瘍の予防と、一石三鳥の飲み物といえます。
  紅茶には鮮やかな橙赤色のテアフラビン(Theaflavin)と、濃い赤褐色のテアルビジン(Thearubigin)という色素のフラボノイド系ポリフェノールが多く含まれ、”しょうが”(上半身のみの血行促進)では力不足の下半身の血行促進をはかり、四肢の血液循環を良くする働きや、風邪などの感染症を防いだり、軽減したりする働きがあります。
  最近、”しょうが”や紅茶には卵巣がん(Ovarian cancer)や乳がん(Breast cancer)といった悪性腫瘍の増殖を抑えることが明らかになりました。
  オハイオ州にあるライトパターソン空軍基地の医療班のRhode氏らによる試験管内実験(BMC Complement Altern Med 2007;7(44):1-9)において、加熱した”しょうが”に多いショウガオール(6-shogaol)は、卵巣がん細胞の増殖を強力に抑える作用が強いことが分かりました。
  ショウガオールは炎症やがん細胞の異常増殖を促進させてしまう核内因子カッパビー(NF-κB)の活性化を抑え、かつインターロイキン-8(IL-8)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の分泌も抑えて、卵巣がんの異常増殖や血管新生を阻止します。
  ハーバード大学医学部のGates氏らによる追跡研究(Int J Cancer 2007;121:2225-32)では、66,940人を対象に、紅茶を飲む習慣と卵巣がんの発症率との関係を調べています。
  それによると、紅茶を一日2杯以上飲む人は殆ど飲まない人に比べ、卵巣がんの発症リスクが0.63(信頼区間0.40-0.99)と、37%低いことが分かりました。
  この原因として、紅茶・ブロッコリー・ケールなどに多く含まれるケンフェロール(Kaempferol)というフラボノイド系ポリフェノールに抗腫瘍効果があるからです。
  一方、フロリダ州(タンパ)にあるモフィット癌センターのKumar氏らによる症例対照研究(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2009;18(1):341-5)では、5,082人の乳がん女性とそうでない4,501人の対照女性で、紅茶を飲む習慣と乳がんの発症率との関係を調べました。
  その結果、50歳未満の女性に限り、一日3杯以上の紅茶を飲む女性は飲まない女性に比べ、乳がんの発症リスクが0.63(信頼区間0.44-0.89)と、これも37%低くなりました。
  このように、”しょうが紅茶”を飲む習慣は、冷え対策として身体をポカポカさせたり、風邪を予防したり、エネルギー消費量の増加や脂肪吸収の抑制や脂肪分解の促進といったダイエット効果のほかに、子宮がんを除く女性特有ともいえる卵巣がんや乳がんの予防にも有効です。






【第7節】ショウガはつわり、手術後や抗がん剤での吐き気や嘔吐を緩和します


  食べ物の匂いを嗅いだだけで吐き気がするとか、何を食べても嘔吐してしまうとか、こんなつらい妊婦のつわりをショウガで軽減することができるのでしょうか。
  イランのイスラミックアザド・トォイセルカン大学産科学部のEnsiyeh氏らのランダム化比較試験(Midwifery 2008;On-line)では、つわり症状を呈する妊婦70人を対象として、ショウガ末を1,000mg/日、またはビタミンB6を40mg/日として、1週間とり続けたところ、ショウガ末で83%、ビタミンB6で67%の妊婦で、つわり症状が軽減しました。
  なお、ショウガ摂取による出産への悪影響はみられませんでした。
  一方、ショウガによる手術後や抗がん剤(がん化学療法)での吐き気や嘔吐に対する緩和効果についても、かなり有効です。
  タイ北部にあるナレスアン大学薬学部のChaiyakunapruk氏らによるメタ分析(Am J Obstet Gynecol 2006;194(1):95-9)では、5つのランダム化比較試験における計363人を対象に、ショウガ摂取による手術後の吐き気や嘔吐のリスクを総合評価しています。
  それによると、ショウガ(少なくとも1,000mg/日)の摂取は偽薬に比べ、手術後の吐き気や嘔吐のリスクを0.69と、約30%減少させます。
  また、抗がん剤(がん化学療法)使用時に、ショウガをとると、偽薬よりも抗がん剤による吐き気や嘔吐を有意に抑えるという報告もあります。
  ニューヨーク州(ロードンビル)にあるシエナ大学心理学部のLevine氏らの研究(J Altern Complement Med 2008;14(5):545-51)によれば、セロトニン(5-HT3)受容体拮抗薬やニューロキニン-1(NK-1)受容体拮抗薬といった制吐剤に加えて、タンパク質の多い食事とショウガをとると、慢性の吐き気を抑える効果が高まり、制吐剤の使用回数を減らすことができるそうです。
  ショウガは、胃腸の血行を良くしてその働きを高め、さらに消化管内にあるセロトニン(5-HT3)受容体や延髄にある嘔吐中枢がセロトニンによって刺激されるのを抑えることで、つわりないし手術後や抗がん剤(がん化学療法)での吐き気や嘔吐を鎮めます。





【第6節】しょうが(生姜)は乗り物酔いに有効!


  ショウガの主成分であるジンゲロール(6-,8-,10-gingerol)やショウガオール(6-shogaol)には、胃腸での消化不良を改善したり、消化管などに存在する生理活性物質セロトニン(Serotonin)が消化管粘膜内にあるセロトニン(5-HT3)受容体や延髄にある嘔吐中枢を刺激して、吐き気(Nausea)や嘔吐(Vomitting)を引き起こすのを抑えたりする働きがあります。
  そのため、ドイツのコミッションE(薬用植物評価委員会)では、消化不良と乗り物酔い(Motion sickness)に対するショウガの効果を承認しています。
  台湾(台北)にある国立ヤンミン大学病院のLien氏らによるランダム化交差比較試験(Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 2003;284(3):G481-9)では、13人の被験者が粉末ショウガ1,000mgまたは偽薬をとった場合に、回転体を見つめていると、回転体が動いている感覚と自分が動いているような錯覚が起こり、次第に乗り物酔いの症状を起こしてきます。
  しかし、ショウガをとった場合には、偽薬をとった場合に比べ、吐き気を催しにくくなり、またその回復も早まることを明らかにしています。
  オハイオ州(アライアンス)にあるマウントユニオン大学のClayson氏らによるランダム化比較試験(Lancet 1982;1:655-7)では、乗り物酔いしやすい4~8歳の小児28人に、粉末ショウガ250mgを昼間、4時間おきに2日間とらせたところ、抗ヒスタミン薬のジメンヒドリナート(Dimenhydrinate)よりも酔い止め効果が高いことを報告しています。
  結局、ショウガは平衡機能への血液循環をよくし、めまいなどの平衡機能の乱れを抑えたり、セロトニン(5-HT3)受容体や延髄の嘔吐中枢の感受性を弱めたりして、制吐作用を発揮します。
  しかし、その効果はショウガの摂取条件、酔いやすさや体調・気分といった個体条件、あるいは外界からの刺激の質・強さ・持続時間といった刺激条件などによって異なってきます。
  ショウガで乗り物酔いを防ごうとする際は、旅行などで乗物に乗る1~2日前から、それが終了するまで、ショウガ湯などでショウガを時々とるようにしてください。
  その際、ショウガの摂取量は生2.5gを一日4回程度、もしくは粉末250mgを1日4回程度とします。
  ショウガのほかに、チューインガムを噛んだり、サングラスをかけたり、遠くをみていたり、バスであればその中央付近に座ったり、あるいはカーブでは曲がる方向に少し上体を傾けたりすると、さらに効果的です。