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【第51節】しょうが(生姜)の精油成分に抗菌、抗真菌作用あり


  第29節でお話したように、生のショウガに多く含まれる刺激(辛味)成分のジンゲロール(10-gingerolや12-gingerol)は口臭の原因の約6割を占める歯周病(Periodontal diseases)を引き起こすポルフィロモナス・ジンジバリス菌(porphyromonas gingivalis; PG菌)やプレボテラ・インテルメディア菌(prevotella intermedia; PI菌)に対して殺菌効果が認められています(Phytothr Res 2008; 22: 1446-9)。しょうが精油(ジンジャーエッセンシャルオイル)
  また、生のショウガ抽出物はグラム陰性菌(大腸菌群、サルモネラ菌属、腸炎ビブリオ)のみならず、頑丈な細胞壁をもつグラム陽性菌(黄色ブドウ球菌、結核菌、炭疽菌、枯草菌)にも有効です(J Ethnopharmacol 1989; 27: 129-40)。
  さらに、ジンゲロールは、胃炎や消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)の原因として重要なヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)に対して殺菌効果を発揮します(World J Gastroenterol 2005; 11: 7499-507)。
  これらに加えて最近、生のショウガの揮発(芳香)成分、すなわち精油(Essential oil)成分や含油樹脂(オレオレジン; Oleoresin)成分の抗真菌作用や抗細菌作用が明らかになりました。
  インド(ゴラクプル)にあるゴラクプル大学のSigh氏らの研究(Food Chem Toxicol 2008; 46(10): 3295-302)によると、精油成分のジンギベレン(Zingiberene)やゲラニアール(Geranial)、含油樹脂成分のジンゲロン(Zingerone)[加熱すると生成されるジンゲロン(Gingerone)とは異なる]などの揮発(芳香)成分は、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)などの真菌(カビ)に対して殺菌作用があります。
  また、これらの揮発(芳香)成分はディスク拡散法で調べたところ、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)で殺菌作用を示しました。
  特に、ショウガの揮発(芳香)成分は食中毒の原因菌である黄色ブドウ球菌と、日和見感染(免疫力の低下した人に感染しやすい)や院内感染の原因菌としてよく知られている緑膿菌において直径6cm前後の広い殺菌領域を持ち、強い殺菌力を示しました。
  しかし、大腸菌に対しては直径1cm程度の殺菌領域であるため、殺菌力はあまり強くありませんでした。食中毒の種類別、月別、年別発生数)
  5月~8月にかけては、右図のように、黄色ブドウ球菌などの細菌性の食中毒がやや増えてきますので、できるだけ殺菌力のある生のショウガをいろいろな料理に添えるようにしてください。
  その際、刺激(辛味)成分のジンゲロールも、揮発(芳香)成分のジンギベレンやジンゲロンもショウガの皮に近い部分に多いため、これらの効果を期待するには、よく洗って皮ごと使うことをおすすめします。
  また、揮発(芳香)成分は生のショウガをすり下ろすと速やかに気化してしまいますので、できるだけ食する直前に摺り下ろすようにしてください。





【第50節】ショウガは紫外線による皮膚のシミや皺(しわ)をできにくくする!


  紫外線(UV; ultraviolet rays)のうち、とりわけ波長が長めのUV-Aは、下図で示す皮膚の表皮(epidermis)を透過し真皮(dermis)にまで到達し、真皮の7割を構成するコラーゲン(collagen)を傷つけて、肌の瑞々しさやプリプリ感を失わせ、皮膚に皺(しわ)やたるみをつくります。皮膚の断面図
  これは、光老化といって紫外線が真皮層でコラゲナーゼ(コラーゲン分解酵素)を活性化させてコラーゲンを細かく切断したり、エラスターゼ(エラスチン分解酵素)を活性化して皮膚に弾力や張りを与えるエラスチン(elastin)を劣化させたり、また炎症を起こしてコラーゲンやエラスチンを硬化したりするからです。
  そうすると、肌に弾力や張りを与えていたコラーゲンやエラスチンが減少してしまうため、肌の弾力性が失われ、皮膚に皺(しわ)やたるみができやすくなるのです。
  また、加齢(老化)によって活性酸素が増加してくると、コラーゲンやエラスチンを破壊し、肌の弾力性が失われて皺(しわ)やたるみが発生しやすくなります。
  特に、アラフィー(50歳前後)を過ぎた女性は、エストロゲンの分泌量が低下してくるために、コラーゲン生成量が減り、皮膚の弾力や張りが失われ、皮膚に皺(しわ)やたるみができやすくなります。
  さらに、喫煙者はタバコに含まれるニコチンが血管を収縮させて血巡りを悪くするため、小皺(こじわ)をつくりやすくし、活性酸素がコラーゲンやエラスチンを損傷させて、大皺(おおじわ)もつくりやすくします。ショウガによるUVシミの抑制
  ところが、日常的にショウガを摂取したり、皮膚に塗ったりしておくと、紫外線による皮膚の炎症が抑えられ、エラスチンを分解させてしまうエラスターゼの活性も抑えられるため、皮膚の皺(しわ)やたるみを生じにくくなることが分かりました。
  韓国(ソウル市)にある韓国カトリック大学医学部のKim氏らによる動物実験(Free Radic Res 2007; 41(5):603-14)では、生のショウガに多い6-ジンゲロールを体毛のないマウスの皮膚に塗ってから紫外線を照射すると、紫外線による活性酸素の発生や炎症が抑えられ、皮膚に皺(しわ)やたるみやシミができにくくなることを明らかにしました(上の組織断面図)。
  その理由は、6-ジンゲロールが活性酸素を消去したり、転写因子NF-κBを不活性化することによって、炎症や疼痛に関与する酵素シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)の発現を抑えるためです。
  また、自治医科大学皮膚科の塚原和枝氏らによる動物実験(Int J Dermatol 2006; 45(4): 460-8)では、体毛のないマウスに紫外線を照射した直後か、6時間後にショウガエキスを照射部に塗布すると、何も塗布しない場合に比べ4~8週間で有意に皺(しわ)が目立ちにくくなることを明らかにしています(下の皮膚表面標本)。ショウガによるUV皺の抑制
  したがって、これから本格的な紫外線対策が必要な季節には、紫外線が当たる皮膚(肌)を半分に切った生ショウガの断面でゆっくり数回擦ったり、あるいは生ショウガを紫外線に当たる前に摂取したりしておくと、紫外線による皮膚の劣化を抑えることができます。
  その際、ショウガの辛味成分が粘膜や首の正面部などの過敏箇所を過度に刺激するとヒリヒリしますので気をつけてください。
  なお、ショウガには皮膚(肌)の保湿効果がないため、保湿効果のあるコラーゲンなどとの併用が、皺(しわ)やたるみやシミを防ぐのに、より効果的と思います。





【第49節】筋肉痛にショウガが効く!信頼性の高い臨床試験で判明!


  肩や首まわりのコリの原因は、疲労やストレスのほか、冷えが関係しています。
  つまり、カラダが冷えると血行が悪くなり、酸素や栄養分が行き渡らず、老廃物が溜まり、筋肉の疲労がとれずにコリが生じます。
  ショウガの摂取は筋肉のコリや痛みを改善するという動物実験での報告はありましたが、最近、ショウガによる筋肉痛軽減効果に関する臨床試験の結果が発表されました。ショウガによる筋肉痛低減効果)
  ジョージア州(ミレッジビル)にあるジョージアカレッジ州立大学キネジオロジー(運動科学)学部のBlack氏らによるランダム化比較試験(J Pain 2010; On-line)では、被験者34名を生ショウガ摂取群とプラシーボ(偽薬)摂取群に分け、1日あたり2gの生ショウガ、あるいはプラシーボを11日間摂ってもらい、肘のエキセントリック運動(伸張性収縮運動)18種類による筋肉痛発症から24時間後の筋肉痛軽減効果を調べました。
  エキセントリック運動とは筋肉を伸ばしながら力を入れる運動で、筋肉に最も負荷がかかるため、筋肉に炎症を起こして痛みも発生しやすい運動です。
  同じように、被験者40名を加熱ショウガ摂取群とプラシーボ摂取群に分け、1日あたり2gの加熱ショウガ、あるいはプラシーボを11日間摂ってもらい、肘のエキセントリック運動(伸張性収縮運動)18種類による筋肉痛発症から24時間後の筋肉痛軽減効果も調べました。Tomoko式しょうがデトックス)
  その結果、生ショウガはプラシーボ(100%)に比べ、筋肉痛を25%軽減し、加熱ショウガもプラシーボに比べ23%軽減したことから、ショウガを食べると運動負荷から24時間経った時点での筋肉の疼痛を有意に軽減することが分かりました。
  ショウガ摂取は、ジンゲロールの多い生ショウガか、またはショウガオールが多い加熱ショウガかにあまり関係せず、激しい運動に伴って生じる炎症や疼痛を4分の1程度軽減することが今回の臨床試験で分かりました。
  運動や力仕事などで筋肉痛が予想される人や、すでに筋肉痛で苦しんでいる人は、できるだけショウガをとって筋肉痛による苦しみを緩和しましょう。
  ショウガは、その主な成分の分子量が400前後ですので、生や加熱したものを経口摂取するほかに、生のショウガで患部を繰り返しさすったり、ショウガ風呂やショウガ足湯などで直接患部を温めたりしても皮膚から浸透し、消炎・鎮痛効果などを発揮すると考えられます。
  「ショウガこすり」については、右に示す専門の本(畑中智子著:ショウガでカラダを温め肩こり、冷えをなおす、コスミック出版、2010年)を参考にしてください。