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【第80節】ココアは太い血管から細い血管まで若々しくする!


【要旨】1日カップ2杯のココア習慣(フラバノール約400mg摂取)は動脈を広げ、しなやかにして動脈硬化やそれに伴う脳卒中や心筋梗塞のリスクを減らします。さらに、皮下の微小血管(毛細血管)も広げ、血行をよくして冷え性を改善したり、皮膚のシワや乾燥を防いで美肌をキープします。

【詳説】わが国では心疾患と脳血管疾患を合わせたCVD(CardioVascular Diseases:心血管病)で亡くなる人は、全体の23.9%となり、ほぼ4人に1人です。
 ココアに含まれるカカオポリフェノール(フラバノール)は血管の最内層(内皮細胞)で血管拡張物質の一酸化窒素(NO)を発生させ、かつ血管収縮物質のエンドセリン-1(ET-1)の発生を抑えるため、血管を広げます。
 ドイツでのCVDを有しない中年男女ボランティア100人を対象とした比較研究(Br J Nutr,2015)では、フラバノール450mg(1日ココア1杯×2回)群とプラシーボ群に分け、1ヵ月間のFMD(Flow Mediated Dilation;血流依存性血管拡張反応)、血圧、CVDへの罹患リスクや死亡リスクなどを調べました。
 その結果、フラバノール群のFMD(正常域6%以上)は右図のように1ヵ月間(28日間)で5.9%から8.2%となり、血管の拡張性が正常化しました。
 医療機関で測る外来血圧(収縮期/拡張期)は1ヵ月間で126/79mmHgから121/75mmHgとなり、収縮期で5mmHg、拡張期で4mmHg下がりました。
 血管が硬くなると心臓の拍動が伝わる速度が増すことから、動脈硬化の度合いがわかるPWV(Pulse Wave Velocity;脈波伝播速度)は1ヵ月間で7.2m/sから6.8m/sに下がり、動脈がしなやかになることがわかりました。
 さらに、悪玉(LDL)コレステロールは1ヵ月間で119mg/dlから112mg/dlに減り、善玉(HDL)コレステロールは59mg/dlから62mg/dlに増えたことから、2.0以下が好ましいLH比(LDL/HDL)も2.02から1.81に改善しました。
 そして、今後10年間のCVDへの罹患リスクが1ヵ月間で4.9%から3.9%に減り、CVDによる死亡リスクも0.5%から0.3%に減りました。
 なお、フラバノールを摂らなかったプラシーボ群では、開始前と1ヵ月後で各検査値はほとんど変化しませんでした。
 このように、普段から1日2杯程度のココアを飲む習慣はCVDのリスクがあまり高くない健常者でも将来、CVDに罹るリスクやCVDで亡くなるリスクを確実に下げます。
 次に、フラバノールは太い動脈のみならず、末梢の微小血管(毛細血管)も広げるため、皮膚血流を改善し、四肢の冷えを防いだり、左の写真の(B)と(D)のように、皮膚の凸凹を少なくして肌荒れやシワを防いでくれます。
 ドイツでの人を対象とした研究(J Nutr, 2006)では、健康で肌タイプⅡ(肌の色が白く、少し敏感肌)の女性24人を高フラバノール(326mg/日)群と低フラバノール(27mg/日)群に分け、12週間における肩甲骨部の皮膚血流の変化などを調べました。
 その結果、高フラバノール群では12週間後に皮下の微小血管(毛細血管)の血流が皮下1mmの深さのところで2倍、7-8mmの深さのところで1.4倍に増えました。
 また年を重ねるほど皮膚は薄くなってきますが、高フラバノール群では12週間後に皮膚の厚さが1.11mmから1.24mmと増し、経表皮水分蒸散量が8.7g/(h・cm2)から6.3 g/(h・cm2)に減りました。
 さらに、高フラバノール群では12週間後、皮膚のキメが細かくなり、シワも少なくなりました。
 一方、低フラバノール群では開始前と12週間後で各検査値はほとんど変化しませんでした。
 このように、ココアのフラバノール摂取は太い血管から細い血管までしなやかに若々しくするとともに、皮膚のシワや乾燥を防ぎますので、ココアは単品として最高の"血管美容飲料"といえます。
 このココアに、血管内の炎症を防いだり、血液をサラサラにする生姜を加えたら、さらに強力な血管美容飲料になりますね。






【第79節】生姜もココアも大腸ガンを予防する!


 わが国の死因別死亡率は【第77節】で示したように、①ガン(28.7%)、②心疾患(15.2%)、③肺炎(9.4%)、④脳血管疾患(8.7%)という順で、約3割の人がガンで亡くなります。
 罹り易い部位別ガンは、右図のように、男性では①前立腺ガン、②胃ガン、③肺ガンの順ですが、女性では①乳房ガン、②大腸ガン、③肺ガンの順です。
 また、死亡し易い部位別ガンは、男性では①肺ガン、②胃ガン、③大腸ガンの順ですが、女性では、①大腸ガン、②肺ガン、③胃ガンの順です。
 このように、大腸ガンは特に女性において死亡し易いガンのトップとなっています。
 大腸粘膜の組織は通常は正常ですが、異常の程度により、炎症がある、軽度の線腫がある(大腸ポリープ)、無視できない線腫がある(直径1cm以上のポリープ)、明らかな大腸ガンである、という分類がなされます。
 もちろん、すべての大腸ガンがポリープから進行するとは限らず、平坦なままガン化する「デノボガン」というものもあります。
 最近、この大腸ガンの予防に生姜が役立つという報告が人を対象とした研究で明らかになりました。
 生姜による大腸ガン予防効果の研究は、米国ミシガン大学医学部で人を対象として精力的に行われています。
 最初の研究(Cancer Prev Res, 2011)では、健常者30人を2群に分けて、生姜群には1日2gの生姜エキス粉末、プラシーボ(偽薬)群には乳糖粉末をそれぞれ4週間とってもらったところ、生姜群はプラシーボ群に比べ、腸内で炎症を促す悪性エイコサノイドと呼ばれる物質のレベルを下げ、腸粘膜の慢性炎症から前ガン病変やガン性ポリープの発生を抑えることを明らかにしました。
 次の研究(Cancer Prev Res, 2013)では、大腸ガンのリスクが高い健常者20人を2群に分けて、生姜群には1日2gの生姜エキス粉末、プラシーボ(偽薬)群には乳糖粉末をそれぞれ4週間とってもらったところ、生姜群はプラシーボ群に比べ、腸内での慢性炎症がかなり抑えられていることがわかりました。
 これらの研究から、1日2g程度の生姜エキスの摂取は大腸ガンに移行する可能性のある線腫の発生およびその増殖を抑えることが明らかになりました。
 つまり、大腸の慢性的な炎症は大腸ガンの引き金になるおそれがありますが、生姜はこの慢性的な炎症を鎮めることによって大腸ガンの発症リスクを下げるため、大腸ガンの予防に有効なのです。
 生姜はその主な成分のジンゲロール、ショウガオール、パラドールが試験管内実験や動物実験で、大腸ガン以外の肺ガン、胃ガン、乳房ガン、前立腺ガン、肝ガン、膵ガン、腎ガン、子宮頸部ガン、卵巣ガン、皮膚ガン、血液ガン、神経芽細胞腫を予防するという報告もあります。
 一方、ココアも大腸ガンの発症を抑えるという報告が複数あります。
 スペインの食品科学技術栄養研究所(ICTAN-CSIC)による総説(Diseases, 2016)では、複数の試験管内実験や動物実験および集団追跡調査によるココアの大腸ガン予防効果の可能性についてまとめています。
 この総説では、ココアに含まれるフラバノールなどのポリフェノールが下図のように、抗酸化作用(Antioxidative effects)、抗炎症作用(Antiinflammatory effects)、抗増殖・細胞自然死作用(Antiproliferative & apoptotic effects)を発揮することによって、大腸の粘膜に異常陰窩巣(ACF;大腸ポリープより早く認められる病的変化)や線腫(Adenoma;大腸ポリープの約80%が線腫)ができるのを防いでいるそうです。
 このように、生姜とココアはそれぞれの有効成分によって大腸ガンの発生を防いでくれますし、生姜は大腸ガン以外の部位のガンをも予防する可能性も高いので、ガン、とりわけ大腸ガンで死なないためには、是非「生姜ココア」習慣を早めに身に着けておくことをおすすめします。
 なお、大腸ガンを徹底的に予防するには、カルシウムやビタミンDおよび食物繊維を多めにとり、赤身肉や加工肉の摂取を少なくすること、そして運動不足を解消することです。
 講演会で時々、"小腸ガン"というのはあまり聞かないのですが、それはなぜなのでしょうか?という質問を受けますが、小腸には免疫細胞の60~70%が存在し、NK細胞などの免疫細胞でガン細胞を退治しやすいこと、そして小腸の粘膜細胞の新陳代謝は速いため、たとえガン細胞が発生してもすぐに剥がれ落ちて便として排泄されてしまうため、と答えています。





【第78節】生姜ココアは認知症の予防に最強の組み合わせ


 厚労省の調査(2012)によると、わが国の認知症患者数は約462万人、軽度認知障害(MCI)とよばれる認知症予備群が約400万人で、これらの数はこれからも増え続けると予測されており、大きな医療・社会問題となっています。
 認知症全体の約68%がアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)で、アルツハイマー病では脳内の神経細胞がどんどん壊れて、脳が次第に萎縮し(写真の右)、知能や身体諸機能が衰えてやがて死を迎えます。
 2番目に多いのが脳血管性(約20%)で、これは脳卒中による神経細胞への後遺症です。
 ところが、アルツハイマー病も脳血管性認知症も、いずれも根本的な予防薬や治療薬が見つかっていないのが現状なのです。
 認知症の患者数やその予備群をこれ以上増やすことなく、できれば減らしてゆくには、できるだけ認知症の危険因子を排除し、予防因子を取り入れることです。
 最近の研究で、ココアの主成分のフラバノールは認知機能の低下を防ぐことが明らかになってきました。
 英国での総説(J Sci Food Agric, 2013)によると、ココア(フラバノール)は抗炎症、神経の可塑性(神経伝達効率の低下を防ぐ)、脳血流の増加、神経細胞の再生にプラスに働いて、アルツハイマー病による認知機能の低下を防ぐそうです。
 この総説の中で、大豆イソフラボンやイチョウ葉エキスも認知機能の低下を防ぐのに適した食材であると述べています。
 米国マウントサイナイ医科大学での研究(J Alzheimer’s Dis, 2014)では、ココア(フラバノール)はアルツハイマー病の原因の一つとされるアミロイドβタンパク質が重合した毒性の強いアミロイドβオリゴマーの蓄積を抑制することを明らかにしています。
 米国コーネル大学での試験管内実験(J Agric Food Chem, 2005)では、ココア(フラバノール)は緑茶・紅茶・赤ワインよりも強力な抗酸化作用を有しており、アミロイドβタンパク質やそのオリゴマーによる神経細胞の障害を防ぎ、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の予防に役立つ可能性を示唆しています。
 さらに、オーストラリアでの若年健常者を対象とした研究(Front Pharmacol, 2015)で、一日1~2杯のココアを1ヵ月飲み続けると、プラシーボ(偽薬)にくらべて、精神的疲労感が軽減し、認知機能が高まることを明らかにしているので、精神的に疲れた時や試験勉強の際にはココアがおススメです。
 イタリアでの認知機能に異常がない老人を対象とした研究(Am J Clin Nutr, 2015)でも、2ヵ月間にわたりココアを1日2~3杯もしくはそれ以上飲んだ群は、ほとんど飲まなかった群にくらべて、認知機能が低下しにくいことを報告しています。
 このように、ココア(フラバノール)は認知症などの神経変性疾患の予防あるいは進行抑制に最も効果的な食材の一つと考えられます。
 では、ココア(フラバノール)のほかに、認知症の予防や進行抑制に効果が期待できる食材には、どんなものがあるのでしょうか。
 多くの関連論文を調べたところ、主なものでは生姜(ショウガオール・ジンゲロール)、ウコン(クルクミン)、マリアアザミ(シルマリン)などがありました。
 では、これら(成分)はなぜ認知症の予防や進行抑制に効果があるのでしょうか。
 それは、これらの成分の多くが脳内で①酸化ストレス(活性酸素による体のサビ)を防いだり、②慢性炎症(腸内毒素による全身性の弱い炎症)を防いだり、③アセチルコリンエステラーゼ活性(神経伝達物質のアセチルコリンを消去する酵素の活性)を抑えたり、④アミロイドβやそのオリゴマーの生成や蓄積(神経伝達障害を起こすタンパク質の増加)を抑えたりする働きがあるためです。
 したがって、多くの人が認知症にならないためには、肥満・高血圧・高血糖・脂質異常といったメタボ体質を改善すること(⇐これも生姜ココアで防げます!)、禁煙すること、有酸素運動をすること、糖質の少ない野菜類や海藻類を多めにとることが大切です。
 そして、「生姜ココア」にハチミツのほか、イソフラボンが豊富な「豆乳」や「黄な粉」を加えたものを1日2杯とる習慣をつけると、現在最強の認知症の予防ないし進行抑制が期待できます。
 もちろん、魚油・エゴマ油・亜麻仁油などに代表されるα-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)といったn-3系高次不飽和脂肪酸も認知症の予防や進行抑制に有効です。
 しかし、n-3系高次不飽和脂肪酸は空気や光な熱などで酸化しやすく、胸やけ・腹痛・下痢といった症状のほか、動脈硬化などの健康障害も引き起こすおそれがありますので、その取扱いには注意が必要です。